9 阿久悠よさようなら
9. 阿久悠よさようなら
阿久悠を送る会からお知らせを頂いた。私のところまで、細かなお気配り、大変ありがたいことである。
8月1日。作詞家として、作家として私たち庶民に大きな感動を置き土産に、まだまだ期待された活動を残したまま、鬼界に旅立たれてしまった。なんとしても早すぎる。
思えば1984年の押し詰まった年の暮れ、電通の豊田氏(政府館の運営総括プロデューサー)を中心に、集まった忘年会で、阿久悠氏より自著の「最後の楽園」以下1984年の優秀出版書10冊を贈られた。翌年3月から始まる科学万博の成功を祈念しての贈り物であった。
写真 1984年の10冊
写真 「最後の楽園」
改めて「最後の楽園」を読み返してみた。23年経てすっかり老年になった今日読んでも大変面白い。戦後の「太陽族」のことを知っている世代は多数派ではなくなった。寝苦しい夜が続いたこともあって、一気に読みきってしまった。現在体調がいまひとつなのは、このためかも知れない。
私の名前の後に寄せてくれた言葉「君の唇に色あせた言葉を」。阿久悠の手にかかると「色あせた言葉」もたちまち生気が目覚め、感動を呼び起こす。
写真 日本の日の歌
科学万博の日本の日(1985/6/10)のために「日本の日の歌」を作詞していただいた。「時の魔法」である。
時に魔法をかけ
明日の世紀をみれば
愛が空の雲になっている・・・・
残念ながらこの三行しか記録に残っていない。この三行だけ見ても、続きがわくわくする。この歌はなぜか曲がつけられなかった。なんとしてもこの詩を蘇らせて、曲をつけてみんなで歌ってみたい。阿久悠は「色あせた言葉」に命を吹き込む魔法使いだと思う。
この機会にあとの9冊も読み直してみた。いずれも阿久悠の選書だけのことがあり、今でも新鮮そのものであり、8月の夜は退屈することがなかった。ブログがお粗末になったのはそのせいと、責任転嫁することを許されよ。
8月10日には阿久悠になんと語りかけたらよいのか。どう美辞麗句で述べようが、早すぎたという思いは消すことができないと思う。
| 固定リンク





コメント