7-7-1 9月(その1)
7-7 -1 9月 (その1) 最後の踏ん張り
目標の2,000万人危うしという8月を終えて、いよいよ最終の月。不思議と筆者も、政府館スタッフも、それほど悲観的な見方は流れていなかった。むしろ、博覧会の成否の論調が2,000万人問題に集中していることは、歓迎されていた。とはいっても、これからの16日間は観客数との戦いであった。その1日1日を追ってみる。
7-7-1-1 9月1日(日)
幸い快晴である。宿舎の脇に会場駐車場への道がある。朝から異常な数の乗用車が通っていく。今日は期待してもよさそうだ。朝から観客が続々入場する。午後、滞留ピーク時には173,012人の記録が報告される。従来の記録は8月15日の167,060人。
41mの政府館シンボルタワーに上って眺めると、会場には溢れんばかりの観客が、あるいは記念写真を、あるいは食堂の列に、もちろん列をつくっていないパビリオンは見当たらない。
写真 バリ島ブリアタン歌舞団
今日はエキスポプラサでバリ島ブリアタン歌舞団の公演が行われ、インドネシアのアラムシャハ宗教大臣がこられる。いつものことだが、ご案内が日程に組み込まれている。バリ島ブリアタン歌舞団の公演が見られないのが残念。エキスポプラサは超満員であったとか。
今日の入場者 232,345人(予測:226,600人)
協会の駐車場を利用したマイカーの台数は21,172台。これは新記録。今まで2万台を越えた日は、8月15日、16日の2回だけ。15日の20,527台が最高であった。
7-7-1-2 9月2日(月)
写真 宝くじー夢にかける橋
今日も快晴。今日のイベントはエキスポホールでバリ島ブリアタン歌舞団の公演と「宝くじの日」記念ドリーム・スペシャル(9月2日の9と2の語呂合わせで「くじ」となる故とのこと)。宝くじからは10億円の協力金を頂いているので、今年も100枚ほど購入したが、300円以外の当たりはない。今回のイベントはそのはずれくじの救済とのことであったが、筆者は救済されなかった。エキスポプラサではオランダ舞踊団の公演。
今日の入場者 105,781人(予測:115,700人)
7-7-1-3 9月3日(火)
一日中曇り勝ちであったが、会場は返って暑すぎない状況であった。
写真 秘書たちと誕生日
今日は一生忘れられない日となった。政府館総館長室の4人の秘書が中心になって、総館長の誕生日を祝ってくれた。56歳である。
実は、4月9日にコンパニオンから誕生祝いの花束を頂いたことがあった。エキスポセンターのコンパニオンの代表の方が総館長室に訪ねてこられ、「お誕生日おめでとうございます!」。驚いたけれど、ここは純粋な彼女らの気持ちを大切にしたいと考え、花束を頂戴し、心からお礼をのべさせていただいた。そのときのことをコンパニオンは日記で次のように綴っている。
写真 コンパニオンと一緒に.
ごめんなさい!総館長 (4月9日)
あーもう「こっけい」という言葉以外では語ることもできない日だった〃まず第一ホテルにバラの花束を取りに行ったら、ちょうどセネガル共和国のナショナルデーということで、ホテルのロビーはでんとしたかっぷくのいいおじ様方でいっぱい。その中で大きな花束は異様に目立ち、視線は自然と私たちに!いい気分だった〃
写真 メモ
そして運営本部に到着。私たち2人と市川さんの3人連れだっていそいそといざ総館長室へ。ドアは開かれ、熊さんさながらの総館長は、全身で喜びを表してくださり、
「いやー感動ですなあ。人生最良の日だよ」
とおっしゃった。ご一緒に写真までにこやかに撮ってくださって、あーそれなのに、それなのに(一瞬の空白)。総館長の誕生日はなんと5カ月も先の9月3日だった……。今思うと、こちらが問違ったのにそれをおくびにも出さず、4月9日が誕生日であるように振る舞ってくださって、あーなんとお優しいことかと感動した。さて、9月3日にはいったいどんな顔してお祝いを述べたらいいのかしら……。
(本当にうれしいですね。)
写真 でんでんINS館コンパニオン
写真 歴史館のコンパニオン
当日は民間館を含め、各館コンパニオンからたくさんの祝福を受けた。目標2,000万人を目前に、まさに至福のときといえよう。料理は政府館の食堂を担当をしている「六本木VIVI」が腕をふるってくれた。
肝心な入場者は109.142人(予測:101,500人)
7-7-1-4 9月4日(水)
この日はウルグアイ東方共和国のナショナルデーであった。曇り時々晴れ。
ウルグアイ東方共和国
A ブロック
写真 イグレシアス外務大臣
写真 ウルグアイ館
ブラジルとアルゼンチンにはさまれた国ウルグアイ東方共和国の面積は日本の約半分、人口は約300万人だが、羊の数は、人口の8倍の約2,500万頭に上っている。このことからもわかるように、ウルグアイの基幹産業は農牧業とその製品加工である。
写真 館内展示
したがって、展示の中心は、毛糸、セーター、ベスト、カーディガン、タペストリー等の羊毛製品であった。セーター等は、いずれも羊毛100%、手編みの製品で、女性観客の大人気となった。
一方、ウルグアイの新しい産業技術の成果としては、イヌやライオンなどさまざまな動物をかたどった陶磁器の置物、みかげ石(花崗岩)の原石と彫刻、医薬品等も紹介された。また、首都モンテビデオの街並みを始め、自然、文化、生活などをビデオ等で紹介した。
ウルグアイ東方共和国のナショナルデーは、9月4日であった。当日は、エンリケV.イグレシアス外務大臣をエキスポプラザに迎えて式典が行われ、続いて「池田光夫とロス・アミーゴス」と歌手の前田はるみによる「ミニ・タンゴ・コンサート」が開催された。
9月10日には、1985年の神戸ユニバーシアードで準優勝した同国サッカー・チームのメンバーが来館し一日館長を務め、館内でサイン会等を開催、観客の好評を博した。
VIPとして秩父宮妃殿下がお成りとなり、5日までご見学された。
今日の入場者 118,892人(予測:101,700人) 大変に順調と思われる。
7-7-1-5 9月5日(木)
4日に続いて曇り時々晴れ。天候には恵まれている。
この日から10日まで、ボリショイ・サーカスがエキスポプラサで開演された。
ステージ上には空中ブランコのロープや台、安全網、アリーナ上手には直径13mの円形舞台、その入口にバンドのブースが設えられるなど、サーカスのムードいっぱい。世評に高いソ連の国立サーカスの登場で、エキスポプラザは黒山の人だかりとなった。
写真 ボリショイサーカス
オープニングは空中ブランコ、4人の男性と2人の美女の妙技の一つひとつに「オー」「ホー」ともつかぬ歓声と溜め息が大合唱のように巻き起こった。次のプログラムは「動物村の火事騒動」、さまざまな犬たちが健気に救助や消火をする姿に、観客は頬を緩めっぱなし。第1部の圧巻は「豪快!コーカサス・ジキト上コーカサスの馬の曲乗りを、ストーリー性のある芝居仕立てで演じたがエキゾチズムいっぱいのコスチュームと、ただ見事としか形容できないアクロバット的曲乗りに、観客はただただ驚嘆するのみ。息もつかせない迫力と神技に、あっという間に1時間が過ぎた。
写真 ボリショイ
小1時間の休憩後第2部が開演。「空中大回転」「シーソー・アクロバット」と、趣向を凝らした名演技が続き、ポリショイ・サーカスの呼びものの一つ熊の登場。檸猛な熊が音楽に合わせてよちよちとダンスのステップを踏む仕草には、子どもの黄色い歓声が渦巻いた。さらに、機械体操の技術を折り込んだ「棒上のアクロバット」、華麗な「夢のマジック」、ソ連の体操の強さを連想させる「平行バランスサーカス」などを披露し、8頭のライオンによるダイナミックな曲芸がラストを飾った。各演技の幕間は軽妙なピエロが繋ぎカリンカなどロシア民謡が雰囲気を一層盛り上げ夢のように時間が過ぎた。手に汗握る興奮、胸が早鐘のように鳴るスリル、爆笑、驚嘆……これらが全てあて嵌まるような、文句なしに楽しめるイベントだった。
今日の入場者 119,465人(予測:100,800人)
7-7-1-6 9月6日(金)
晴れのち曇り。会場は相変わらず混雑。各パビリオンも残り少なくなった会期を、優秀の美で締めくくろうと、押し寄せる内外のVIPの優先入場・アテンドで苦しみながらも頑張っている。
政府館も終了したあとのことを考える余裕はない。だれかが考えているものとは思うが。
写真 フラメンコ
エキスポホールでは、5日と6日にかけて、フラメンコの小松原庸子スペイン舞踊団の公演が行われた。2日間で2,500人を超える観客の喝采を浴びていた。
今日の入場者 129,407人(予測:127,400人)
7-7-1-7 9月7日(土)
曇り時々晴れ。
あと一週間となった土曜日。期待どおり25万人を超える観客が集まってくれた。団体バスは、9月3日以来、毎日600台近く安定して観客を運んでくる。会場を廻ってみると、本当にどこもいっぱい。人気パビリオンに入れない観客も、とにかく楽しそうな顔をみせてくれる。政府館の制服を身にまとっていると、時々ご苦労様と声をかけられる。こちらこそ観客にたいして、心からご苦労様といいたい。
この調子でいけば、成功―2,000万人は間違いなし。
今日の入場者 252,097人(予測:208,800人)
今日までの累計 入場者 18.562,267人(予測:18,478,700人) 達成率 100.45%
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