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2007年5月10日 (木)

7-4-4 HSST バンクーバー博(1986)へ出展

7-4-4  HSSTバンクーバー博(1986)へ出展

7-4-4-1 HSST-EXPO'85

つくば博の計画当初から、未来の高速鉄道として話題に乗っていたものであるが、当時磁気浮上鉄道の技術は、極低温における超伝導技術を利用する方式と、常温で運転する常伝導技術が競合しており、協会の施設として建設するには、その選択は大変困難であった。

結局は、これを建設する資金の調達可能な方式を採用することに決められた。

会場内Aブロック隣接地に、博覧会協会の事業として設置・運行されることになったが、ここでもうひとつ問題があった。

つくば博の計画をBIEに持ち込んだとき、カナダのバンクーバーも1985年頃、交通博覧会の計画を持っていた。実現性については白紙に近い状態であったが、つくば博を支持するために、バンクーバーは1年ずらして1986年開催にしよう、その代わりに交通に関する展示はご遠慮いただきたい、ということであった。

しかし、協会としては、磁気浮上鉄道は大きな目玉の一つになるので、何とか実現を目指したい、ということで、カナダ側と折衝した結果、つくばで出展した磁気浮上車を、翌年のバンクーバーにも出展するということで、妥協がまとまった。

採用された磁気浮上車は日本航空が中心となって開発されたHSST (High Speed Surface Transportの略称;高速地表輸送機関)であり、その概要は科学万博HSST共同企業体(日本航空株式会社、住友電気工業株式会社)のパンフレットに述べられている。

HSST-EXPO'85(パンフレット)

744_hsst

写真 会場を走るHSST-EXPO'85

日本航空が昭和49年より開発を進めてきたHSST3号機(HSST-EXPO'85))が、皆様の前に登場いたします。

HSST(常電導磁気浮上システム)とは、電磁石で1cm程浮き上がり、リニアモーターで前進する、いわば"空飛ぶじゅうたん"のような乗り物で、国際科学技術博覧会協会の事業として設置運行されています。航空技術をふんだんに応用した「HSST-EXPO'85」号は、長さ13.8m、巾2.95m、高さ3m、重さ約12トンと軽量で、座席が48席あります。この「HSST-EXPO'85」号が、「科学万博一つくば'85」会場内の約350mの軌道の上を、皆様をお乗せして、浮上して走ります。

日本航空は、これまで2機のHSSTを製作し、いろいろな実験を積み重ねてきました。最初のHSSTであるHSST1号機は、無人機で、高速性をテストするために作られました。

HSST l号機は、昭和532月に時速307.8㎞の高速走行に成功し、所期の成果をおさめることができました。また、HSST 2号機は有人機、8座席で、乗り心地等をテストするために作られました。HSST 2号機には、昭和563月の実験終了までに、3,000名以上のお客様にご試乗いただき、HSSTの乗り心地の良さが十分に実証されました。

それでは、HSSTは一体どのようにして浮いて、どのようにして走るのでしょうか?

まず、浮く原理(浮上の原理)ですが、逆U字型のレールに、U字型の電磁石が吸いつこうとする吸引力を利用して浮き上がります。吸いついてしまっては進めませんので、吸いつきそうになった時、レールとの間のすきまを常時監視しているギャップセンサーの信号を基にコンピユーターが働き、電流を減らします。電流を減らすと、レールから離れようとしますので、今度はコンピューターか電流を増やすように働きます。これを繰り返すことにより、約1Cmの間隔を保ちます。

また、横方向へのずれに対しては(横方向案内)、この磁石に元に戻ろうとする自然の復元力があるので、問題はありません。一方、前に進む原理(推進の原理)ですが、円形モーターを切り開いて、一直線状にした、リニアモーターで前進します。

*HSST I号機、2号機は、上野の国立科学博物館に寄贈され、展示されています。〉

HSSTは浮いて走りますので、レールとの接触がありません。従って、騒音、公害が殆どなく、保守整備が非常に軽減されます。また、電力の消費量は、高速走行になればなる程、車輪方式にくらべ、省エネ効果か増大します。このようにHSSTは、低公害性、整備性等にすぐれた乗り物で、中低速から高速まで幅広い応用が期待されています。

744_hsst_1

1図 HSST走行位置

「科学万博一つくば'85」で運行される「HSST-EXPO'85」号の技術的な最大の特徴は、モジュール方式を採用した点にあります。「モジュール」とは、電磁石とリニアモーターを一つにまとめたもので、モジュール方式を採用したことにより、

1.磁気的な抵抗が小さくなり、高速走行にも適する。

2.運動性が向上し、凸凹やカーブのある軌道をスムーズに走行できる。

3.車体の重量を、車体の全長にわたって均等に支えることができるため、車体及び軌道が軽くなる。

等の特徴があります。

過去の万博の歴史を見ますと、常に、その時代、時代を先取りした先端技術が紹介されています。「科学万博一つくば'85」で、低公害性、整備性にすぐれ、幅広い応用の可能な乗り物「HSST」が、皆様をお乗せして走ることは、明日の交通を考えるうえで大きな意義があると考えられます。

 なお、会期中の運行実績は、626日天皇陛下御一行および713日ボードワン・ベルギー国王陛下御一行の特別便を除き、総便数13,220便、総利用者数611,068人に及んだ。

7-4-4-2  バンクーバー博(1986)出展のセレモニー

 

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写真 パトリック事務総長と代表団(会場模型を前に)

 カナダ‐バンクーバーの交通万博(198652日~1013)は、会場建設が順調に進んでいたが、いよいよHSSTの建設に着手することになり、621日、着工式の挙行となった。そのため、協会から筆者を代表として、協会職員ならびに日本航空の関係者総計5名の代表団を送った。代表団のコンパニオンの一人はカナダ人が含まれていた。

 EXPO'86はこのHSSTの出展に対して、大変な感謝と期待を抱いており、お陰で代表団に対する接遇は、超BIP級であった。

 式典は日本からの出展ということで、神道式地鎮祭(Shinto Groundbreaking Ceremony)が行われた。カナダでは珍しいことのようで、ジャーナリズムを始め、沢山の観客が詰め掛けた。

つくば博が9月に終了し、すぐ撤去作業が行われたとしても、翌年5月のEXPO'86の開場までに移転し、試運転も済ますというスケデュールは大変忙しいが、日本航空も博覧会事務局も自信満々のようすであった。

 

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写真 バンクーバー「つくば会」寄書き

このセレモニーに参加させてもらえたことがきっかけとなって、翌年、EXPO'86の参観が実現したが、そのとき、つくばのコンパニオンでEXPO'86でもコンパニオンとして働いていた「つくば会」の面々10数名、政府館、協会、三井館、健康・スポーツ館、電力館、三菱未来館、中国館、英国館・・・との再会、懐かしい交流の記念として、カナダ国旗に記された寄書きは、いまでも大切なメモリーとして大切にしまってある。

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コメント

私は、めいけい生です。
いま中一なのでこの歌を歌うんですが、わたしもこの歌は大好きです

投稿: | 2008年5月24日 (土) 16時08分

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